365人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
そんな晴海に、
「はぁ…そんなにいつもと様子が違うのね。」
祥子はため息を吐きながら他人事のようにそう言った後、
「まぁ、仕方ないわ。私も動揺しているのよ。」
続けてそう言った。
すると、
「ど!動揺?!ば、ばあちゃんが!?」
祥子の口から出てきた『動揺』という言葉に驚きの声を上げる晴海。
心の中で、
(ありえない!今までばあちゃんが動揺してるの見たことないんだけど、今の様子がばあちゃんの動揺してる姿なんだ!)
と、初めて見る祥子の姿に感動しながら。
が、
「でも、どうして本が送られてきただけでそんなに動揺?」
祥子が動揺する理由がわからず首をかしげる晴海。
それに、
「動揺するわよ。これが送られてきたってことは朝子さんが亡くなってしまったって事なんだから。」
祥子は悲しそうにそう言った。
その祥子の言葉に、
『えっ?』
晴海と呆然としていた高宮が同時に聞き返すようにそう言った。
そんな2人に、
「石内朝子さんは大物作家だけど、もう1つ別の顔があるの。その顔は『童話収集家』。今日送られてきたのはそんな朝子さんが集めてきた『童話』のコレクションよ。」
祥子は説明を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!