・第2話 『欲張っても得することはなし。』

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その祥子の問いに、 『!!』 ビクッと体を強張らせ、晴海と高宮は読んでいた本から顔を上げ、おそるおそる祥子の方を向き、 「は、早かったね。ばあちゃん。」 笑ってごまかそうとする晴海。 「あっ、す、すいません。少しのつもりが。」 慌てて謝罪しながら言い訳をしようとする高宮。 そんな2人に、 「私が言ったのは箱の中身の確認だけよ。誰も本を読んで良いとは言ってないわよ。晴海、へらへら笑ってごまかそうとするんじゃないわよ。高宮も言い訳はいいから言われた事をしなさいよ。」 祥子は怒りを含んだ声でそう言った。 それに、 「はい!ごめんなさい!」 「はい!すいません!」 晴海と高宮はすぐに頭を下げてそう謝った。 「はぁ…謝ってるヒマがあるならさっさと作業する!終わるまで今日は帰さないわよ。読みたい気持ちはわからないでもないけど終わらないと明日古書店開けられないし。私は今から仕度があるから帰るから。2人で手分けしてやりなさい。」 祥子はため息を吐いてそう言った。 『はい!』 晴海と高宮はそう即答した後、すぐに箱の中身のチェックへと移った。 が、 「ばあちゃん…。」 晴海がおそるおそるそう祥子に声をかけてきた。 「何?」 祥子はまだ何かあるのかと晴海の方を向いた。
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