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高宮は作業が終わり、晴海が帰ってくるのを待っていると、
ガラガラ!!
というドアの開く大きな音がした。
その音に晴海が帰ってきたのかと、
「おかえりな・・・。」
『おかえりない。』とドアの方を向きながら言おうとした高宮だが、目に入ってきたのは、
「ただいま。あら、晴海がいないけど。」
通夜から帰ってきた祥子だった。
「あっ、は、はい。お、おかえりなさい。は、晴海さんは、さ、作業が終わったので、の、飲み物を買いに行きました。」
祥子の問いに高宮はどもりながらも何とか答えた。
「何をそんなに焦ってるの?…もしかしてまだ作業が終わりそうにないの?」
高宮の様子に祥子がそう聞くと、
『ブンブン』
と音がしそうな程の勢いで高宮で首を横へ振った。
そして、
(津田さんのオーラが怖すぎて普通に話せなかったんです!って言いたけど、染みついた恐怖のせいで声が出ない!)
と高宮は心の中で叫んだ。
店へと入ってきた時にはもう祥子は怒りのオーラをまとっており、そのオーラに高宮は震えていたのだった。
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