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驚く祥子に、
「中身メモして整理して奥の部屋に運んだよ。はい、これ中身を書いたメモね。」
晴海が得意げにそう言いながらメモを祥子に渡した。
「あっ、これもです。」
晴海がメモを渡すのを見て高宮も自分のメモを祥子に渡した。
そして、
「この残りの箱も奥に運びますね。」
と言って高宮は残っていた箱をすべて台車に載せて奥の部屋へ向かった。
高宮の姿が見えなくなった後、
「ばあちゃんの教育って恐ろしいね。俺、最初に会った時の高宮さんと今の高宮さんが同じ人物だとは到底思えないよ。」
晴海が祥子の教育の恐ろしさを再認識しながらそう言った。
それに、
「そうでしょう。まぁ、ああいうのは一度ぺしゃんこにつぶれるまでやって、一から教え込めば何とかなるものなのよ。まぁ、つぶれたままの人もいるでしょうけど、そんな甘いことはさせないわ。」
『フッ』と笑いながら祥子が言った。
そんな祥子に、
(いや、つぶれたままの人を甘いとは言わないんじゃ…って言っても怒られるだけだから言わないでおこう。そして、高宮さんよく耐えられたな。)
晴海は顔を引きつらせながら心の中でそう思った。
そして、
「っていうか、何をそんなに怒ってるんだよばあちゃん。俺は怖くてもまだ慣れてるからいいけど、あまりの恐怖に高宮さんの顔が真っ青だったよ。」
晴海は話題を変えようと自分が店へ戻ってきた時の高宮の顔を思い出しながらそう言った。
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