・第1話 「その一言を求めて」 前編

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ある日の夕方。 1人の女子高生が『津田古書店』の前に立っていた。 「ここにあの人が・・・。」 女子高生はそう呟いて店を見上げた。 が、なかなか中へ入ろうとしない。 すると、 ガラガラ・・・ と店のドアが開いた。 「!!」 いきなり開いたドアに驚く女子高生。 そんな女子高生に、 「何か用?」 と店のドアを開けて出てきた大学生くらいの店員であろう男の人がそう聞いてきた。 「あっ、えっ、その・・・。」 女子高生はいきなり現れた店員に驚き、しどろもどろになり答えるどころではなかった。 そんな女子高生に、 「えっと、怒ってるわけじゃないからそんなに慌てなくて大丈夫だよ。とりあえず中に入って。ずっと店の前で立ってると怪しいから。」 店員はそう言って女子高生に中に入るよう促した。 が、 「す、すいません!か、帰ります!」 そう言って女子高生は店員が呼び止める間もなくすごい早さで帰っていった。
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