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祥子が去った後、
「はーい。ってもういないし。・・・確かにあの子どうやって知ったんだろう?目的がはっきりわかってるわけじゃないけど、祥子さんに会いに来たのは確実だと思うんだよな。・・・って考えても本人が来ないと何もわからないか。」
と独り言を言い、言い終わると手に持っていた祥子に投げられたハタキを使って掃除を始めた。
そして次の日。
また昨日と同じくらいの時間に女子高生は現れた。
店の中から昨日と同じように店の前で立ち止まっているその子を見て、
(昨日の今日で来るとは。でもここまで来てどうして中に入らないんだろう。)
晴海はそう思いながらまた声をかけようと店の外へ行こうとしたが、
(いや、俺が行くとまた昨日の二の舞になるかもしれないな。ここはばあちゃんに任せよう。)
と思い直し、店の奥にいる祥子を呼ぶことにした。
「ば・・・祥子さーん、昨日の子また来てる。俺が出たら昨日の二の舞になりそうだから祥子さんが声をかけてあげてよ。」
と言うと、
「そうだね。じゃあ、私が話をかけてみようかね。」
と返事が返ってきて祥子が奥から出てきた。
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