365人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
そして店の前にいる女子高生を見て、
「あぁ、確かに古書店の方に用がある感じじゃないね。まぁ、話を聞いてみないとわからないけどね。」
祥子はそう言った後、店の外へ出た。
ガラガラ・・・
「!!」
また店のドアの開く音に驚く女子高生。
そんな女子高生に、
「うちに何か用かい?」
と優しく聞く祥子。
すると、
「あ、あの、つ、津田、祥子さんですか?」
晴海の時には逃げたが、祥子の姿を見てしどろもどろになりながらもそう聞いてきた。
「あぁ、そうだよ。私が津田祥子だ。」
祥子がそう答えると女子高生はほっとしたような顔をした後、
「これを見てもらえませんか!」
そう言って勢い良く持っていたケースを差し出した。
「見るのは見てあげるよ。でも、ここじゃ見れないから中へお入り。詳しい話も聞かせてくれないかい?何で私のことを知ってるのかとかね。」
祥子はケースを受け取りながらそう言い、店の中へ戻った。
「は、はい。」
女子高生も返事をしながら祥子に続いて店の中へ入った。
そしてその様子を店の中で見ていた晴海に、
「晴海、隣で飲み物買って来ておくれ。奥の部屋にいるから。」
と祥子は言った。
最初のコメントを投稿しよう!