・第1話 「その一言を求めて」 前編

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そして店の前にいる女子高生を見て、 「あぁ、確かに古書店の方に用がある感じじゃないね。まぁ、話を聞いてみないとわからないけどね。」 祥子はそう言った後、店の外へ出た。 ガラガラ・・・ 「!!」 また店のドアの開く音に驚く女子高生。 そんな女子高生に、 「うちに何か用かい?」 と優しく聞く祥子。 すると、 「あ、あの、つ、津田、祥子さんですか?」 晴海の時には逃げたが、祥子の姿を見てしどろもどろになりながらもそう聞いてきた。 「あぁ、そうだよ。私が津田祥子だ。」 祥子がそう答えると女子高生はほっとしたような顔をした後、 「これを見てもらえませんか!」 そう言って勢い良く持っていたケースを差し出した。 「見るのは見てあげるよ。でも、ここじゃ見れないから中へお入り。詳しい話も聞かせてくれないかい?何で私のことを知ってるのかとかね。」 祥子はケースを受け取りながらそう言い、店の中へ戻った。 「は、はい。」 女子高生も返事をしながら祥子に続いて店の中へ入った。 そしてその様子を店の中で見ていた晴海に、 「晴海、隣で飲み物買って来ておくれ。奥の部屋にいるから。」 と祥子は言った。
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