Face Down -回 想-

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『アンタが帰りゃ、店は無くなるよ。だって俺らが潰しちゃうからさ?』 「!?なっ… 『だってそうでショ?そういう契約なんだから』 「契約って…なん、だよ…っ 『ふふ、わかるでしょ?もう大人なんだから。だからさ?アンタが帰るとアンタの大好きな両親もさ?困っちまうんじゃないかなーってさ?思うわけよ、俺たちはね」 「っ…んな、の 信じられるわけない。だってそんなの信じたら…今までのオレって一体なんだったの? 今までみんなで楽しく、裕福じゃなくても幸せに暮らしてきたのに。 捨てられた?そんな訳ない、だって昨日まで一緒に食卓を囲んで、普通に笑い合ってた、のに…? (嘘だっ…そんなの、) そんなオレの戸惑いや葛藤、気持ちなんてお構いなし。 その男は冷めた瞳のままニッコリと唇の両端を上げ。 『わかったらさ、大人しく言うこと聞いてなよ?』って、薄めの唇を一層薄めて、意地悪く微笑んだ。
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