Purple × Room

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「おら、ケツ出せよ」 「!?はっ…な、なに 「なんでもいいから早くしろっつーの」 そして"リョウ"と呼ばれたその男は、部屋に入るなりオレをベッドの上に放り投げた。 ジャラジャラと鳴る鎖が身体の下敷きになり痛みが走る。 思わず起き上がろうとしたオレの身体の上に男が跨り、首元を片手でぐっと掴んだ。 どこかで嗅いだことのある香りが空気に乗って揺れる。 「なんだっけこの匂い」って考える間も無く、苦しさに思考が停止した。 「!?ぐ…っぅ 「今日からさ、お前は俺ら四人のペットになんの、わかる?」 「、く…るし…っはな、せ 「だからさ、俺らが言ったことには絶対服従なわけ」 「はっ…く、ぅ…ッ ギリギリと首を絞める男の手は緩まる気配がない。 オレ、このまま殺されちゃうの。 苦しくてなんも考えらんない。 助けを求めるために伸ばした手は力なく空を切るだけ。 溢れ出した涙が視界を遮ってぼやけてく。 そしてだんだんと意識は遠のいて… 「!?、ヒュ…っぐ、げぇ…っ、かは…っ…!! ようやく解放された喉には勢い良く空気が吸い込まれてく。 なんとか殺されずには済んだらしい。 激しく咳を繰り返すオレを見て、男は満足そうに笑った。 「ほら、わかったらケツ出せよ」 「ッ…、ぅ…っぅ、ぅう…ッふ、っ… 「あーもー、めんどくせぇな、泣いてんなよ」 堪えきれず流れ出した涙と嗚咽。 ボロボロと泣き出したオレに、男は「まじめんどうだから」ってハァと溜め息を吐いた。 苦しさと悔しさと恐怖でもう頭の中がパンクしそう。 男は黒のTシャツを素早く抜ぎ、ベッドの下へ放り投げる。 そして同じく黒い皮のパンツの前を肌蹴けた後、ハラリと落ちてきた前髪を後ろへと掻き上げた。 「おい、聞こえてんのかよ」 「や、らっ…や…ッかえ、る…かえして、おねが…っふ、ぅ…やら、 「だから無理だっつーの」 男の言葉の意味は、理解は出来たが当然受け入れられる内容ではなくて。 そして男の態度ははっきりと絶望だけをもたらした。 良い歳した大人が情けなく泣いて、懇願して。 でも仕方ないじゃん。 だって、ペットって一体なんなの…? オレ人間なんだよ?絶対服従って、なんで? 何されるの、何したいの、こんな事して…ねぇ一体何が楽しいの…?
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