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「、ぐぅ…っ!!かはっ…
頬を殴り、頭を打ち付け、腹を殴り、みぞおちを蹴り。
至るところに痛みを与えながら、男の顔は無意識なのかどうか、笑っていた。
「ぅぐっ…げほっ…!!は、はぁっ…
(痛い…どっか折れてんのかな…オレ…今度こそ、死ぬの…?)
「ははっ…ほっせぇな、まじ折れちまうんじゃねーの」
「かはっ…く、くるし…
「苦しくしてんだから当たり前じゃん」
胸に足を乗せ、男は徐々に体重をかける。
息が出来なくて苦しくて怖くて、涙も鼻水もずっと止まらない。
やめて、って胸に乗せられた足をどかそうと必死で手を伸ばす。
そして気付いた。見上げた男の身体、オレを踏み付けながら楽しそうに笑ってるその男は…
(、こいつ…勃って、る…!?)
黒い細身のパンツを履いてる男の股間は、見目にもわかるほどにパンパンに膨れていた。
それはどう考えたって生理的な興奮を意味し、その証拠に男の顔は赤く上気し息を荒めてる。
なんで、こんな行為で勃起出来るのか、オレには全く理解ができなかった。
(まじかよ、ヘンタイ…ってか、オレもう息…が…っ
──コンコン
その時だ、バスルームの外、少し開いたままの扉の向こうに人の気配。
誰かがこの赤い部屋の扉をノックした。
「!!げほっ…ぐ、かはっ…
チっと舌を打った男はオレの上からようやく足を退けた。
一気に吸い込まれてく空気に思わず噎せる。
男は扉の向こうにむけて「なんだよ」って不機嫌を露わに返事をした。
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