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「逆島断雄少尉、そこにいるな。我々の目的はなんだね」
胃が口から飛び出しそうだった。なぜ進駐軍の最高指揮官が自分の名前を覚えているのだろう。
「……はい、決戦兵器『須佐乃男』を駆使して、日乃元本土を氾(はん)=エウロペ侵攻軍から守り抜くことです」
総司令が重々しくうなずいた。
「よろしい。それがわかっていればよい。必要なものがあれば、なんでも上官にいいなさい。きみたちにはわたしと進駐軍全体がついている。皇国を守るため、すべてを捧げて奮闘してもらいたい。諸君の武運を祈る」
また全員の声がそろった。
「はいっ!」
西原元帥の映像が霧が晴れるように消え去っても、会議室には厳粛な空気が漂ったままだった。
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