1117人が本棚に入れています
本棚に追加
門らしき木戸を押し開けて中に入ると、緑が鬱蒼と繁る、広い庭が広がっていた。
工房はおそらく右手に見える小屋だろう。
とりあえず、雑草が元気に伸び広がる庭を進む。
足で雑草を踏むたび、懐かしいような草の匂いがするのが嬉しくて、つい庭を歩き回る。
と、弦を弾(はじ)く音が聞こえた。
ああそうだ、楽器を見てもらいに来たのだった。
G線D線A線E線と弾(はじ)いて、ちょっと音程のおかしかったD線に戻る。
D線とA線を交互に弾(はじ)きながら、音を合わせているようだ。
最初のコメントを投稿しよう!