1117人が本棚に入れています
本棚に追加
「……この楽器は、どこで……。」
さっきまでとは違う、絞り出すような声。
どう見ても様子がおかしい。
「父がイタリアで、……あの、ホント大丈夫ですか?」
微かに震える手で、ゆっくりバイオリンを下ろすと、そのまましばらく俯いて無言になってしまった。
なんなのだろう?
この楽器に、何をここまで動揺させるものがあるのだろう?
「……まさかこれ、……幻の名器とか……?」
「違います。」
違うんかいっ!!
最初のコメントを投稿しよう!