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「……この楽器は、どこで……。」 さっきまでとは違う、絞り出すような声。 どう見ても様子がおかしい。 「父がイタリアで、……あの、ホント大丈夫ですか?」 微かに震える手で、ゆっくりバイオリンを下ろすと、そのまましばらく俯いて無言になってしまった。 なんなのだろう? この楽器に、何をここまで動揺させるものがあるのだろう? 「……まさかこれ、……幻の名器とか……?」 「違います。」 違うんかいっ!!
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