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いや、それはそうですよね、確かにね。 「すいません、ちょっとびっくりして……。」 こっちの脳内を読んだのか、そう言って彼が小さく笑った。 眉間のシワがふっとほぐれ、まるで花が咲くような笑顔に、本気でドキっとする。 色素の薄い髪が、窓から入る光にキラリと光って妙に神々しく見える。 迂闊に触れたら、二度と会えなくなるような。 「申し訳ないのですが、この楽器を少し預かってもいいですか?ちょっと確認したい事もあるので。」 「確認?もしかして結構まずい状態なんですか、このバイオリン!」 焦って言うと、彼は困ったように微笑み、 「それも含めて、確認させて下さい。」 そんな顔されたら、もう何も言えなかった。
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