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「僕は、オールドだから音がいいとか、イタリアだから値段が高いとか、そう言う先入観で楽器を選ぶより、自分がいいと思う楽器を選んで欲しいと思うので、あまり楽器の背景を語ることはしないようにしてるんです。」 真摯なまなざしをまっすぐ向けられて、正直、ちょっと後ろぐらい気持ちになった。 前の楽器は、迷った末イタリアだからと言う理由で選んだものだったから。 「だから選んでもらえて、…良かった。」 はにかんだ笑顔が、暴力的なまでに美しい。 ヤバい。 相手が男だというのに、この心臓がものすごい勢いで脈を打つ。それこそ、外にまで聞こえるんじゃないかと思うほど。
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