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「じゃ、これに名前と連絡先を書いて下さい。」 そう言って預かり証とボールペンを差し出された。 そこに、『崎谷 颯太』と名前を書き、ケータイ番号と、念の為アドレスも書いた。 ………下心が全くないとは言わない。 「崎谷くん、ですね。」 それは確認のためだとはわかっているのに、それでもドキッとしてしまう自分は、もうおかしいんだろうか。 「これ、僕の名刺です。」 「………えっ。」 ものすごく、ものすごくびっくりした。 まさか、連絡先を教えてもらえるとは思わなかった。 いや、でもそうだよな。くれるよな、普通。俺、今客だし、大事なもん預けてるし! 頭の中での色々な葛藤を出さないように、そのスラリと伸びた手から名刺をもらった。
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