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新しいバイオリンの音を早く試したくて、帰る途中にカラオケに立ち寄る事にした。
今までなら家でできていた練習が、狭いアパートではできないから。
問題は広さじゃなく、防音だけど。
そんなわけで、すっかり常連になったカラオケに到着すると、土曜日の午後はさすがに混んでいた。
顔見知りのバイト店員が、颯太に気付いて近寄って来た。
「すいませ~ん、今ちょっと混んでてぇ。」
ぱっつん前髪の下から、媚びるように175cmの颯太を覗き込んでくる。
1時間待ちなんですけどぉ、と続く話を聞きながら見知った顔を見つけた。
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