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喉が渇いた。 夢中で弾いていた手を止め、ふと振り返ると本から顔を上げた乾と目が合った。 「終わりか?」 言われて、喉が渇いてと返す前に壁に掛かった時計が目に入った。 19時?! ヤバい、3時間も弾いてたか! 「悪い!こんな時間だった!」 「かなり集中してたな。オレ、一回出掛けたの気付いてないだろ?」 「マジで?出掛けたの?気づかなかった。」 うーと伸びをして、左腕を背中にまわして腕の付け根を伸ばす。左手は指板を押さえるために、少し身体の内側にいるから、弾き終わるといつも反対側へと戻したくなる。
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