雪が綺麗と笑うのは君がいい

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この4年間で、何度も受け入れた身体は、颯太のためだけに存在していると言っても過言ではない。 だけど、そんな事は言えない。 今、有坂の上で激しく楔を打つ彼が、愛しくて悲しくて、ただひたすらに抱きしめた。 「覚えてると思いますけど、明日、夕方から来ますんで、仕事ちゃんと終わらせて下さいね。」 抱き合った後、2人でシャワーを使ってからベッドに入った。 3月の深夜はまだ肌寒く、2人で抱き合って眠るのがちょうどいい。 「大丈夫です。今頼まれてるのは弓の張り替えと、ペグ(糸巻)の調節くらいです。」 有坂の工房も、久世春人御用達と知れて徐々に客が増えてきている。
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