雪が綺麗と笑うのは君がいい

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「あれ?雨が雪に変わってます。」 チラリとカーテンを捲った颯太が驚いた声を出す。 「どうりで寒いわけですね。」 隣に立って一緒に雪を眺める。 さすがに真冬ではないから、積もるというような雪でもない。 時刻は午後11時55分。 あと少しで誕生日が来る。 颯太がスマホにイヤホンを刺して、片耳だけ渡して付けるように示す。 流れて来た、最近颯太のお気に入りの曲を2人で片耳ずつ聴く。 「すいません、ちょっとトイレ。」 そう言って有坂に両耳イヤホンを付けると部屋を出て行った。 その曲を聴きながら、これが一緒に過ごす最後の誕生日かもしれない事を覚悟した。
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