雪が綺麗と笑うのは君がいい

12/17
前へ
/340ページ
次へ
時は色々な物を解決してくれるけど、僕の気持ちまで綺麗に何もなかった事にできるのだろうか? 降り続く雪をぼんやりと眺めながら、イヤホンから流れる切ないラブソングを、ガラにもなく自分に重ねてしまう。 こうして一緒に雪を見て、ワインを飲んで、抱き合って眠る。それらすべて、君がいいんだ。 君じゃなきゃダメなのに。 僕のワガママより、颯太の将来を優先して考えるべきだ。 例えそれが、別れに繋がるとしても。 鼻の奥がツンとして、出そうになった涙を堪える。 ーー少なくとも、今日1日は笑っていないとーー。 きっと颯太が心配するから。 そういえば、遅いな。 振り返った時、コンコンと窓をノックされた。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1117人が本棚に入れています
本棚に追加