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『開けて。』
急いで窓を開けると、寒ぃ~、と笑う颯太がいた。
「な、何やってるの?早く中に……。」
言い終わらない内に、颯太が有坂の手を握った。
「誕生日、おめでとう。」
スッと差し出された腕時計を見ると、ちょうど12時を回ったところだ。
……あれ?そんな時計してたかな……。
「プレゼント。」
そう言ってリボンの巻かれた小さな箱を差し出された。
「ありがとう……。寒いから、とりあえず中に入って。」
「ダメ。まず、それを開けて。」
真面目な顔で言うから、大人しく言う通りにしとこう。
有坂はそっとリボンを解くと、丁寧に包装紙を剥いた。
「……腕時計……。」
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