雪が綺麗と笑うのは君がいい

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ネイビーフェイスの、電波ソーラー時計。 毎日勝手に時間を受信して合わせてくれて、電池を交換する必要もない、最新のデザイン。 「すごい、これ、高いんじゃない?」 思わず振り向いた先には、真剣な目をした颯太がまっすぐに有坂を見つめていた。 「俺は、もう直ぐ実家に帰ります。そこで、建築士として、一人前になるようにがむしゃらにがんばるつもりです。 一人前になったら、……こっちに事務所を建てるつもりでいます。」 心臓が、激しく胸を叩く。 颯太が自分に付けた腕時計を見せる。……有坂の物と同じだった。 「これからもずっと、一緒に時を刻んでくれませんか?」
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