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ぼくは鍵っ子。
物心付いたときは既にそう。
隣の家のお姉さんやおばさんが一緒に過ごしてくれたことは多い。
それでも、
ほとんどの時間、
自分ひとりで過ごしている。
ぼくが鍵っ子だったのは両親が共に働きに出ていたからだ。
どうして両親が共に働きに出ていたかというと、
どちらかひとりだけの稼ぎでは親子三人暮らしていくことができなかったからだ。
どうしてどちらかひとりだけの稼ぎでは暮らしていくことができなかったかというと、
それぞれの貰う給料が安かったからだ。
どうしてそれぞれの貰う給料が安かったかというと、
両親がそれぞれ勤めていた会社の規模が小さかったからだ。
どうして両親がそんな小さな規模の会社に勤めていたかというと双方とも教育程度が低かったからだ。
父親は一応大学を出ていたけれども、
そこは脳味噌が随意筋でできたような不良たちが通う伝統的な吹き溜まりの底辺校。
また母親は地方の農業高校出身だ。
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