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ここは?
いったい何処?
色がない?
いや、
そうではない?
あまりにすべてが透き通り、
光が反射し、
重なりあい、
かえって白が溢れただけか?
本当に?
あの反射の角にあるのは、
陰! 黒よりも黒い、
黒!
あの窓ガラスの外にあるのは、
闇! 黒体より真っ暗な、
闇!
けれどもこの世では、
それはまだ小さい。
エントランスを抜けたその先の広場には人型の像が立つ。
そのまわりに纏わりつくのは、
色。
たゆとう色。
ジワジワと像の台座を昇っていくのは、
色。
ぴちゃぴちゃと音を鳴らし……。
短く緩い悲鳴が聞こえ……。
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