6人が本棚に入れています
本棚に追加
/124ページ
そりゃそうだろうよ。
どの経路を辿ったって結局はそれしかないだろう。
別の誰かが投げやりに補足。
でも、
そいつぼくじゃない。
そいつは魔だ!
哄笑が辺りに響き渡る。
名前をつければいいってもんじゃないだろう? バケモノ? 怪物? 天使? 裏モードの、
紅い、
碧い、
あるいは黄色い、
黒い……
脳の中を信号が鋭く貫き、
両手の感触が通常に戻る。
眩暈がする。
クラッと……。
やがて気づくと何か柔らかいものを掴んでいる。
それにはミミズ腫れが浮かんでいるが死んではいなくて、
けれど生きてもいなくて、
大きな眼が限界まで見開かれ、
ぼくを見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!