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私は、
嘘つきだ。
休むことも遅れることもなく、
毎日判を押したように
きちんと学校に
行っていた。
別にそれは
誰のなんのためでもなくて、
私自身が真面目な学生を
やってみたかっただけの話で。
周囲からの評価や
賞賛なんて
狙ってなかったのに、
もらったらもらったで嬉しくて、
さらにその期待に
応えようとした。
男の人と付き合ったことが
ないわけでもなくて、
ただ友達に──
千佳に話すほどのことでは
なかっただけ。
だって、
大したことでもないのに
やたら報告して、
「私は異性と長く
続かない女なんです」
なんて宣伝する必要は
まったくない。
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