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思い出1
今日はとてもじめじめしていて家から出た瞬間、熱気が襲ってきた。
「あっつ・・・」
あれー?こんなに暑かったっけ?もうちょっとひんやりしてた気がしてたんだけどなぁ・・・
あれ・・・?なんでひんやりしてたって知ってるんだろう・・・?
うーーん、なんかひっかるなぁ。
・・・まぁいいか。
ていうか早くいかなくちゃw
自転車に急いでまたがり浜崎高等学校へつながる坂を下りていった。
生ぬるい風が肌に触れる。
でも、陽太のことは覚えてるんだよなぁ・・・
天津陽太(あまつひなた)、彼は私の恋人。
陽太は中学3年生の最初にこの街に引っ越してきた。
この時期の転校生は珍しいし、転校初日から周りにみんなが群がっていた。
私はどんな子なのか興味はあったけど、群がるまではしなくて自分の席からその様子を見ていた。
うーん、顔はふつう?身長は高めでなかなかいいかも。とか女子特有の雑な品定めをしていた。
陽太は明るい性格でだんだんとみんなになじんでいるように見えた。
そして陽太はサッカー部へと入部した。
今思うとこれがいけなかったのかもしれない。
陽太はサッカーの才能があった。
今のレギュラーのみんなよりも確実にうまかった。
いつのまにか引退試合。その時にはレギュラーの座も、監督からの信頼も着実に勝ちとっていた。
そのせいか、みんなからねたまれるようになった。
部活からクラスへと、どんどん陽太を孤立させるように・・・。
そして陽太は自分を責めるようになっていった。
俺が部活入ったから。
俺が輪を乱してしまったから。
俺が、俺が、俺が、全部いけなかった。
それから陽太は自分から一人になるようにしてた。
私はすべてを知っていながらも何も行動できずただ見ているだけだった。
情けないね。
でもそんな日常が続いていた夏のある日、事件が起きた。
5時間目の体育プールの授業だった。
私たちの学校にはプールが終わり5分前自由時間となっている。まぁ要するに遊んでもいいよってやつ。
で、私は友達と遊んでてきゃっきゃうふふやって5分が終わった。いや終われなかった・・・。
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