第1章

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俺は家の方向が同じ後輩の達人と、バレンタインなのに何も貰えなかったな、などと話しながら家路についていた。 まあ俺は妹に貰えるけど。 その俺の目に、家の前の階段に座っている妹の姿が映る。 妹は俺に気が付くと、立ち上がり駆け寄って来た。 俺に飛びつく寸前、俺の隣にいた達人に気が付き立ち止まる。 達人を見上げ、顔をマジマジと見たあと顔を真っ赤に染め、手に持っていたチョコを達人に差し出し声をかけた。 「お兄ちゃん受け取って」 達人も顔を真っ赤にさせ、チョコを受け取る。 チョコを渡した妹は、俺に声をかけながら家に駆け込んで行った。 「お兄ちゃん今日は鍋だからね」 「(ちょ、ちょっと待て、俺のチョコレートは?)」 俺は、俺に失礼しますと声をかけ立ち去って行く達人の背中を睨み、明日からシゴキ決定だなと、心に誓った。
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