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「最悪だ…この世の終わりだ…。」
俺は夜の街を見ながら言った。
あの明かりの中で息をしている人は誰も気づいていない。
もうすぐ世界が終ろうとしていることを。
「すまない、俺の力ではお前たちを守ることができなかった。
こんな未熟な俺を許してくれ。」
俺は目を閉じ、今までの人生を振り返った。
この世に存在する七大魔王に数えられる俺はこの世界にやってきた。
そしてほかの魔王からこの世界を守るため、俺は勇者となった。
そしてついさっきまで、俺は奴らと戦っていた。
だが俺は、他の魔王たちに敗北した。
だから、俺のせいでこの世界はもうすぐ滅んでしまう。
「ぐあっ!?」
急に右腕がうずいた。
俺の魔力がなくなってきたことを伝えているのだろう。
「ふっ……。魔王kとして恐れられていたあの頃がずいぶん昔のようだな。」
脳裏に、ある女性の顔が浮かんだ。
「サナンティス、お前のことを守れない俺を許せ。
ただ、できることなら、最期の時をお前と過ごしたかった。」
最後に彼女と話した時のことを、俺は思い出していた。
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