第10話

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「最近鬼が活発と聞いて出てきてみれば……」 なんて新見さんは呟き困った顔をしている。 「あー。まず、藤堂。お前大丈夫か?立てるか??」 「あ、はい。って何で俺の名前を?!」 「それは後で話す。それより早く帰るぞ」 そう言って新見さんは帰ることを促す。 「ほら、お前も……って大丈夫か??」 そう言って私の顔を見た瞬間新見さんはもっと困った顔をする。 「……ご、ごめ、……なさい」 ―――二度も助けて貰って。 「……何がだよ。」 そんな彼の不器用な優しさにまた涙が出る。 「……何がなんでも諦めるなよ」 そう言って新見さんのお店である“錦”へ行くことになった。
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