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「長州藩四人組に馬鹿二人」
そう言って室内を見渡す。
「貴女は……荒波葵さんですよね?」
なんて彼は聞いてきたので私は首を縦に振る。
「初めまして。私の名前は大久保頼(おおくぼより)。前世は大久保利通。よろしくお願いします」
―――大久保利通(おおくぼとしみち)
薩摩藩の人物。また西郷隆盛、木戸孝允(桂太郎)と並ぶ維新の三傑と称されている。
スーツ姿で眼鏡をした彼はいかにもバリバリ仕事ができそうで優しそうな二十代ぐらいの男性だ。
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
本当に絵に描いたような紳士ということもあり緊張している私。
「荒波さんの話はいつも柊真くんから聞いていますよ」
そんなあたふたしてお辞儀をする私にほほえむ大久保さん。
彼はどうやら柊真たちの知り合いのようだ。
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