第10話

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「さっきの“おもちゃ”が無くなったからなぁ」 そう言いながら気を失っている武田さんをみてから、私たちを見る。 虎河くんも私も刀を構える。 ――が、まるで、蛇に睨まれた蛙。 そんな感覚だ。 足が地に吸い付いている感覚だ。 そして彼は私を見る。 「俺は虎熊童子。お前、もしかして茨木が言ってた子??」 そう言って上から下まで見られる。 そして彼は「なんだかなー」と言いながら何やら考えているような顔をする。 私はそんな彼に目を細める。 そして彼は思いついたかの様な顔をして私に声をかける。 「ねぇ、知りたい??」 私に問う。 「何を??」 「そんな怖い顔しないでよ」 そう言いながら満面の笑みを浮かべる鬼。 「まぁ、気になったから君に聞くね」
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