第10話

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「せっかく“こっち側”にくるかと思ったのに残念だなぁ」 そう言ってニコリと笑う鬼である彼を私は思いっきり睨む。 「……葵、下がってろ」 そう言って私の1歩前に出る彼。 いつもとは違う雰囲気の虎河くん。 そんな姿に私は思わず息をゴクリと飲む。 そして彼は私を敵から背に隠すように刀を構える。 「俺は、お前を許さない」 刃の先を相手に向ける。 「そうか。なら、楽しませてもらうよ」 そう言って、二人は刀を構え走り出した。
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