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虎河くんは走って、構えた刀を上から斬ろうと刀を振り下ろすが、相手はその刀を止める。
その勢いを利用して回転し、そこから敵は虎河くんの体制を崩そうとする。
そして刀を横から斬ろうとするが、間一髪虎河くんはそれから免れる。
「なるほどねー」
そう言って虎熊童子が淡々と攻撃していく。
それはまるで風のようにしなやかで品のあるような動きに敵ながら賞賛を贈りたくなる程だ。
それに比べ虎河くんは段々と押され始めている。
そして遂に虎河くんが飛ばされた。
「虎河くんっっっ!!!!」
「大丈夫だ……って葵!!!!」
虎河くんが飛ばされたと同時に私の頭上に黒い影が現れる。
「初めから“こっち”が狙いだったからね」
刀の刃先と鬼である赤い瞳がギロりと光る。
―――――私の頭上に。
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