第10話

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その声で目を開ける。 私の頭上で刀と刀がぶつかり合って火花を散らしていた。 まさか、いるはずのない人間がここにいたからだ。 黒いスーツ。 耳にはピアス。 金髪のワックスをした無造作な髪。 「遅くなってわりぃな」 そう言って敵を思いっきり吹き飛ばす。 「に……に、新見さん……」 開いた口が塞がらない私の顔に、新見さんはへらっと笑う。 そんな彼の姿に思わず涙が出る。
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