第1章

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「よっ」 ミサの後ろ姿に声をかける。 「・・・トシ君か」 「今年も来てたんだね」 「そりゃ・・・ね」 そう言いながら、ミサがまた夜景に目を向ける。 「もう・・・3年か」 「うん、今年も渡せないのかな」 毎年、バレンタインの夜にはミサはこの場所で待ち続ける。 絶対に会える事のないあいつを・・・。 「・・・バカだなと思っているでしょ?」 「えっ!?」 「でもね・・・バカみたいとは自分でも思っているんだけど いつか奇跡が起きて、会えるんじゃないかなと信じてるんだ。 いや、信じたいから毎年ここに来ちゃうんだろうな。 さっき、とし君が現れたように後ろから何事も無かった様に 声をかけてくれるんじゃないかなとね。 あー、もう12時だ。 今年も会いに来てくれなかったかぁー残念。 来年もまた来るからねー!!」 ミサは夜景に向かって叫び公園を後にした。
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