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あの日から二人でいても上の空なことが増えていった。
遠夜が、何を考えているのかわからない。
そんななか、璃音からある噂話を聞いた。
『遠夜と湯沢先生がキスしてた』
……それを聞いた瞬間。
目の前が真っ暗になった。
それと同時に。
和人と夏々のことを思い出した。
アノトキトオナジ……!
私の頭はそれで一杯になって
涙が込み上げてきた。
私は心を落ち着けるために図書館へ向かった。
図書館の静かなピンとした空気が好き。
噂は何パターンかあって。
キスしてた、抱き合っていた。
最近、なんとなく、よそよそしいし、
前みたくぎゅって抱き締められることも少なかった。
それに……キスも。
夜、帰ってくるのも遅くなったし。
昼休みは寝てることがほとんど。
考えれば考える程、疑惑は大きくなる。
ふぅ。
おおきなため息をついたときだった。
ぎぃぃ。
図書館のドアが開いた。
図書館に人が来るなんて珍しい。
単純にそう思った。
本棚からひょっと覗いて、息を飲んだ。
遠夜と…湯沢先生だったから……。
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