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「あんた、どっから来たんじゃ?この辺りに村どころか家なんて……」
「何をなさっているのですか?」
誰かが聞いてみたが、娘は静かに繰り返すだけじゃ。
「魚を獲る準備をしておるんじゃ」
「魚を獲る……見たところ、根流しの準備ですね?」
「ああ、そうじゃ。明日の朝から流して獲る」
娘は『それはいけませんね』と悲しげな顔をした。
「根流しをされたら、魚がいなくなり、川も淵も死んでしまいます。どうか止めてください」
「はははっ。魚なんてほっといても増えるべ。こっちも生きてくために仕方ねえんだ」
「魚も生きている。あなた達がしようとしていることで、幼い子ども達までも犠牲になります。あんなの漁じゃない。根流しをすることは、鬼より酷い所業です」
淡々と冷めた口調で言い返す娘に、暑さのせいもあってか、娘の態度が腹立たしく思うてきたんじゃろうなあ。
皆、手を止めて娘を取り囲んだ。
儂も気になったんじゃが『次郎吉は続けろっ!』と怒鳴られ、仕方なく一人で続けておった。
「キャーッ!」
突然娘の悲鳴が、水の音しかせん淵に響き渡った。
驚いて見ると、皆が娘の腕や足を押さえ付け、無理矢理その白い着物を引きむしったんじゃ。
娘の真っ白い裸体が皆の前に晒され、源兵衛も他の若い衆も、目の色を変えて嫌がる娘を見て笑っている。
「や……やめれー!嫌がってるでねえか!」
「うるせえ!おい、誰か縛っておけ」
止めようとした儂は、何人かに乱暴に縛られ岩の上に転がされたんじゃ。
そうしているうちにも、娘の悲鳴が聞こえる。
淫靡な目をした大の男達の前で、娘の細く小さなは体を大きく開かれた。
儂はどうもしてやれず、ただ目を瞑って顔を背けた。
その時じゃ……
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