第1章

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パニック寸前だった。 何がどうなっているのか 突然の判決や友達の裏切りにあい頭の整理が追いつかない。 僕は目を左右に動かし焦点を定められずにいた。 ふと目線が定まる。 そしてだんだんと心拍数が下がっていく。 血の気が引いていった。 決して、状況を理解したわけではなく、受け入れたわけでもない。 「エミさんもなのか・・・」 落ち着きを取り戻した原因は春の次に載っている名前が目に入ったからだった。 焦りや苛立ち、悲しみ、一切の感情をかきけした。 内石エミ。 思いを寄せていた女の子の名前が載っていた。 ヘヘッと僕は口の端を吊り上げた。 内石さんには一回挨拶したんだけどな。 勇気振りしぼったのに。普通のことってのは分かってるけど。 自分から挨拶をした僕にとっては奇跡だった。 挨拶が奇跡なんてイカレてる 「書かれて当然か」 自分に呟いてつっこんだ。
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