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 いつの間にか顔を伏せていたらしい。柊の声にハッとなり、潤んだ瞳を見られまいと自然を装って立ち上がった。 「お茶飲みすぎたかな。ちょっとトイレいってくるね」  トイレのドアを閉めてからこぼれそうな涙を拭う。  このところ気持ちが不安定になることが増えた。  親友が結婚するかもしれないと聞いたときからのような気もするし、柊がいなくなってからだったような気もする。  それに比例するように以前から見ていた悪夢を見る回数も増え、ますます情緒不安定になる日が増えていた。  トイレから出ると柊が目の前に立っていたことに驚き短い悲鳴をあげる。 「お風呂入ろ」  心臓に悪い。気持ちが乱れたあとだけに余計に。  その後一緒に入浴し、長湯をしたあと再びベッドで抱かれると気を失うように眠りに落ちた。  一晩中抱きしめられていたからか、その日悪夢を見ることはなかった。
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