1人が本棚に入れています
本棚に追加
彼は、大好きだった同級生にフラれたことを思い出した。しかし、その女性の顔は思い出せなかった。切ない気持ちだけが、波のようにただ繰り返している。
「自転車置き場で告白して…、結構キツくフラれて…。そうだ俺…泣いちゃったんだ…。ははは…。って何でスーツ!!?」
学生服ではなく、スーツ姿の自分に驚きながら、彼は立った。スーツは少しお洒落な雰囲気のものだった。
「こんなの着たことない…。よな?…。どうなってんの?」
その瞬間、悠真は不気味な殺気を感じた!
素早く山の方を見た悠真だったが、山の麓には何もいなかった。
悠真は少し安心しながらも、首を捻る。すると視界の左の隅に黒い物体があることに気付いた!
山から砂浜には大きな足跡があった。左を見ると、そこには黒い体毛に覆われた大きなゴリラがいた!!
悠真は、その生物の盛り上がった筋肉や異様な雰囲気に、自分んの体が震えるのを感じた。しかし、顔まで毛で覆われているいるのを見て、彼はそれがゴリラとは違う何か凶暴な生物だと思った。
声さえ出せない悠真だったが、足が竦み、右膝を砂浜に突いた。
その瞬間、黒いその生物は、毛で覆われている顔の口を開き、「ゴァァァッ!!」と声を上げ、悠真の方に向かって来た!
足の筋肉が異常なのか、気付けばその生物は彼の前まで一瞬で来ていた!
大きく開いた口の小さな牙と鋭い犬歯が、悠真に向かう!
最初のコメントを投稿しよう!