第1章

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どうしようもなく、もらってしまったチョコレートなんてモノを持て余した。 「よぉ」 寒くなってきても帰らないボクを迎えに来た兄は、今回もまた、どうしてボクが帰らなかったかを察したらしい。 「お前、チョコレートアレルギーなのになぁ……母さんが見たら、またヒスる」 「だからって、断るわけにも捨てるわけにもいかないだろ」 女装癖は許した母は、ボクにチョコレートを渡した女の子の家に、殴り込みに行きかねないような性格だ。 毎年。 帰ってこないボクを探しに来た兄が、ボクのもらったチョコレートを消化するのが、ボクら兄弟のバレンタインデー
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