第1章 真の悪と心の悪

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人間たちとの距離が縮まったときだった。 別の群れの狼たちが人間に向かって攻撃を始めたのだ。 コハクやレンたち狼は人間から手を出さない限り攻撃をしてはならない群れの掟が定められていた。 「あの馬鹿ども、あのニンゲンはこっちに手を出していないぞ。勝手なことをっ! コハク注意しろ。ニンゲンは武器を持っている。お前はそこにいろ」 レンはそう言うとコハクの返事を待たずに勢いよく人間に向かって駆けた。 そしてその人間の首元を食いちぎったのだ。 「あっ、ああああ……」 レンが地面に着地するのと同時に人間は自らの命の海にその身を沈めた。 人間たちの周りには狼の群れが集まりそれぞれが人間たちをバラバラにしていった。
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