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数日後の昼、一つの群れが壊滅した。
そしてその翌日の夜、また一つの群れが姿を消した。
コハクとレンのいる群れにはその報告が至るところから伝達され、大きな混乱を招いていた。
「ニンゲンが遂に動き出した。このままではこの群れもやられてしまう。今夜中に山奥へと移動しよう」
群れで最も長老である狼がそう言うとそれぞれが家族単位で動き出した。
「レンは俺たちと行こう」
俺がレンにそう投げかけるとレンは頷き俺の両親のあとに続いた。
晩秋の名月とも呼べるほどこの夜の月は穏やかで辺りは明るく鈴虫の声で溢れていた。
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