第1章

2/4
前へ
/4ページ
次へ
俺の大事な、大事なお姫様、美香の誕生日パーティーを行った翌日の朝だった。 招待客と言うのは大げさで、何時もの仲間の1人、満がテレビを見ながら俺達に声をかける。 「おい! これを見ろよ」 テレビではニュース番組が流れていて、画面に映っていたのは、大勢の人達が1人の人間を追い詰め、襲い、追い詰めた人の肉を食っている場面だった。 画面が切り替わりスタジオが映しだされ、ニュースキャスターが話し始める。 「この映像は作り物ではありません。 今現在世界中で現実に起こっている出来事です。 何らかの伝染病に感染していると思われる為、国立研究所が原因の特定を進めています。 また、政府は全国の自衛隊に出動命令を下しました。 外出中の方は危険ですので、速やかに屋内に退避してください」 一緒にテレビを見ていた清治と剛がベランダに出て、マンションから見える街の中を見下ろす。 「おい!! あれ! そうじゃないか?」 剛が声を上げた。 ベランダに出ずテレビを見続けていた俺もベランダに出て、剛が指差す方を見る。 そこには逃げ惑う人達を追い詰める大勢の暴徒がいて、追い詰められた人が暴徒に襲われ喰われていた。 その暴徒に向けて警官が発砲しているが、暴徒は発砲に怯む事も無く、警官に襲いかかっている。 奴らは獲物を見つけた1人が走り出すと、周りに屯していた他の奴らがその後を追い、最初の奴が見つけた哀れな犠牲者を追い詰め、寄ってたかって食らいつく。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加