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隣で一緒に惨劇を見ていた美香が、身体を震わせ、俺の腕にすがりついた。
「槙ちゃん怖い」
俺は美香を優しく抱きしめ、安心するように声をかける。
「大丈夫!
ここは90階建ての超高層マンションの最上階だぜ、奴らもここまで上がって来られないだろう」
美香は俺の言葉に安心したのか、安堵の表情になり震えも収まった。
みんなと一緒に惨劇を見ていた有紀が、ベランダで惨劇を見続けている俺達に声をかける。
「当分槙の部屋に籠城しなければならなくなるから、このフロアの安全の確保と、武器を集めましょう」
有紀の提案に満が賛同の声を上げ、補足の提案をした。
「賛成。
あと水の供給が止まった時の為に、風呂や桶に水を溜めておこう。
槙! 食料は大丈夫だよな?」
「ああ、食料と飲料水は、災害に備えて半年分備蓄しているから、大丈夫だろう」
俺は雪がチラつき始めた空を見上げて、話しを続けた。
「寒い! 中に入ろうぜ」
みんなも空を見上げて頷き、部屋の中に戻る。
この時、暴徒の1人が俺達に気が付き、マンションに向けて走り始めた事に気が付く事も無く。
部屋の中に戻った俺達は手分けして、マンションの非常階段に通じるドアやエレベーターの前にバリケードを築くと共に、金属バッドや木刀など武器になりそうな物を集める。
一通りの準備が整い、みんながリビングに戻って来た時だった。
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