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「I am the world's strongest man! (俺は世界最強の男だ!)」
言葉に会場は喝采、鳴り止まない。私は心から感動したのだ。
リングは私のもう一つの家である。この言葉が名言とされている
私はボクシングの世界チャンピオン。出身はアメリカ。妻と一人の娘がいた。テレビを見ていればアメリカはおろか全世界が知っている名であっただろう。そんな輝かしい人生を送っていた私は、若くして亡くなった。心臓病だったという。その事実は瞬く間に知れ渡り大勢の人が涙した。私の大事な妻と娘も悲しんだだろう。死んだのだ。終わったのだ。そう思っていた・・・・・思っていたのだ。
*
「皿片付けたいから早く食べてくれないか」
私は頭上からの 今の父 の声により頭が目覚めた
手に握っていたパンを食らい、ミルクを口にする
「それと、さっきからお友達さんが待っているみたいだぞ」
慌てて時計を見る。時刻は7時。朝練の時間まで30分だ。
「やばっ!?」
急ぎ顔を洗い、パジャマを脱ぎ制服に着替える。乱れを鏡の前で整える。
「先行っちゃっていいよ~」
「あとどのくらーい?」
「3ふーん」
「分かった-」
待っていてくれるようなので私は更に速度をあげかばんを手にし、
「行ってきまーす!」
「はい、行ってらっしゃい」
元最強の男は今現在こうして日本の高校生として暮らしてる。
それと一つ言っておこう。
「あ、やっときた、遅いよー!」
「ごめーん!急ご!」
私は現在、女である。
とりあえず学校へ急ごう。走ればギリギリ間に合うだろうし、遅れると先輩がうるさい。
*
名は日向まひる。年は15、近所の高校に通う一年生。部活は野球部マネージャー。それが今の私だ。
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