私は一度死んだのだ

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一度死んだ私はなぜか記憶を保持したまま別の人間へと生まれ変わり今現在日本にいる。今の家族は父は在宅ワーク、母は有名グラビアアイドル、そして私の三人家族だ。家は二階建ての一軒家で私の個室もあるが特段広いというわけでもない。しかしそれはあくまでも私の見解で学校の者共は「羨ましい~」とか「個室欲しい~」とか言っている。他人と比べることに何の意義があるのか私には未だによくわからない。              * 「それじゃあ君達が朝練に遅れた理由を聞こうか?」 「「まじ、すんません」」 二人仲良く正座している私達はただいま説教を受けている最中である。そして高らかに仁王立ちをしていかつい顔をしているのは我らが顧問坂本先生である。黒髪の短髪に日焼けした肉体そしてサングラス姿はもうヤクザのボスにしか見えなくてとにかく恐い。 「というか、かよは悪くないよ。私を待って遅れたんだし」 「でも私が途中こけて遅らせてしまったから。ひな悪くないってば」 「・・・あとで説教してやるからさっさとボール磨きしろっ!」 「「はいーっ!」」 伊馬佳代。同じく高校一年生で私の今の幼馴染にあたる。茶髪のセミロング。眼鏡をかけていて顔は中性的な顔立ちをしているが、視線を少し下に落とせばその豊満な胸が見えてくる。かといって太っているわけでもなく女の理想の ボンッキュッボンッ というものである。学校一と噂されているくらいのナイスボディの持ち主だ。正直現在の母にも負けず劣らずなのではないかと思う。親しみを込めて私のことを日向からひなと呼んでいる。 「ひな。髪結ばないと」 「あっ、忘れてた」 制服を脱いでいて思い出した。かばんからゴムを取り出し一本結びにする。 「変じゃない?」 「んー?ちょいと貸してみ」 変だったようだ。かよはゴムを手に髪をたばねる。ちなみに今現在二人共下着姿である。さすがに15年も女をやっていれば下着の一枚二枚別にどうとも思わない・・・・・かよのは少し目そらすけど。 「OKバッチリ!」 「サンキュー」 「ひな顔立ちはいいんだからさ、もっとオシャレとか気使ったら?」 「あはは・・・・・今度考えておくよ。」 オシャレ・・・・・・この単語に触れることになろうとは前世では到底考えれなかった。それこそ今の私の姿など想像が着くはずもない。              *
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