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思わぬ出会いがあったが気を引き締めるのにいい機会だった。
目的も出来たのでこれから頑張れそうだ。
なんて思ってた頃が懐かしい。
茶色い土が剥き出しのクレーターを出たと思ったら周りは何にもなし。
少なくとも見える範囲に町はなかった。それでもしばらく歩くこと数時間。やっと道らしきモノを見つけ、ただただ辿っているところだ。
ただ歩いても暇なのでクロクロの情報でも纏めよう。
クロクロでは従来のRPGのように歩いていたらエンカウトということはほとんど無い。ワールドマップでは動物はいても本格的に倒す対象となるモンスターはおらず、ダンジョン等の攻略エリア以外に出没することはまず無い。
これには一応の理由(設定)があり、そもそもモンスターとは動物(或いは無機物)が空気中の魔力や魔力の元となるマナを吸うことで肉体の強化や凶暴化がおこり出来てしまった危険な存在、である。
つまり、空気中の魔力等の安定している通常のマップでは動物は動物のままでモンスターにはなり得ない。まれに出会うのはダンジョン等からはぐれるか迷いでてしまったようなヤツばかりだ。
しかし、これでは移動中のプレイヤーはただ歩くだけだ。それではつまらないとよく出没するのは、そう、
「そこのヤツ、とまれ!」
盗賊だのの悪党である。
数は十二。
来ているものは粗末な布地になめしただけの毛皮をベストのように羽織っているだけの服装。武器は短めの剣や弓、盾を持つものやナイフを持っているもの等様々。
共通しているのはあまり質が良くないことだろう。刃こぼれや傷が目立つ。
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